坂本夏子です。
大阪の交番で、
拳銃強奪事件が起きました。
容疑者が翌日には逮捕され、
ほっとしましたね。
重体の巡査の回復を祈るばかりです。
こんな事件があると、
あなたはどのような点に
関心が向きますか？
私は、逮捕された容疑者の
家族のことが、結構、
気になります。
容疑者本人は、
司法に任せればよいわけで。
自分の家族が逮捕された
だけでもショックなのに、
大々的に報道され、
場合によっては取材攻勢にあい、
周囲から、いわゆる白い目で
見られ、たまらないだろうな、
と思うのです。
今回の事件では、父親から
「自分の息子に酷似している」
との通報があり、
それが容疑者の特定に役立った
と報道されています。
そして、
父親はＴＶ局の役員とのことで、
父親本人とＴＶ局が
コメントを発表しています。
人の心情として理解できます。
この状況でコーチの立場からは、
心理学的あるいは脳科学的に、
ついコメントしたくなります。
最近では、
農林水産省の元事務次官が、
息子を殺したとされている
事件も起こりましたし。
今日は視点を変え、
人事屋の立場から、
所属組織と役員氏との関係について、
語ってみます。
おそらく今、社内はざわついて
いるだろうと想像します。
自社の役員の息子が
重大事件を起こした容疑で
逮捕されたということで。
ここで最も大事なのは、
会社が冷静になり、
構成メンバーの私的事項と
会社の運営を区別することだと
思うのです。
ポイントはこれです。
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問題でないことを問題視しない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
問いはこれです↓↓↓
会社は本件に関わる必要が
あるのか？
私の答えはこれです。
報道機関としては、
報道機関として報道する。
会社としては、
たまたま容疑者の父親である
役員に、これまでと同じように
接する。
つまり、今回のデキゴトを、
組織のメンバーと組織の関係に
おいて、影響させない。
私が社長なら、
人事担当役員と相談の上、
それを社内に明言しますね。
そして、
社内に反論や抵抗や違和感が
あれば、そこに丁寧に対応します。
別に、容疑者の家族を
ことさら擁護しましょうと
言っているのではなく、
組織の構成員のプライベートな
事情に敬意をもって接しましょう、
と申し上げているのです。
この父親が、会社の従業員なら、
即答でそう述べます。
経営側の一員である人物なので、
そこをどう見るか？ の点は、
ちょっと迷いましたが、
結論は「それは関係ない」。
今、そう結論付ける原体験が
あります。
昨年の秋に、メルマガで
取り上げた話ですが、
私が会社員時代に、
HIV陽性者を、いいじゃん別に、
と思って採用した時、
社内で予想外に問題が起こりました。
それを、
逆転ホームランのような形で
収めた後、HIV陽性者を
積極的に採用したのです。
その時、社内で発表した
文章がこれです。
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障害名開示についての当社の方針
このたびAさんが当社に
入社するにあたっては、
ご本人、所属長、および
人事にて検討の結果、
Aさんには障害名を開示のうえ、
入社していただくことに
なりました。
但し、入社以降は、Aさんも、
所属長も、人事も、障害名の
開示は、社内外において、
積極的に行うことは
一切いたしません。
しかしながら、今後、社内外に
おいて、何らかの経路でAさんの
障害名を知った方から、ご本人、
所属長、あるいは人事に
問い合わせがあった場合は、
特別な隠し立てはせず、
「障害を理解したうえで一緒に
仕事をする職場の一員である」
ということを明確にお伝えします。
皆さまも同様の対応を
お願いいたします。
当社には、障害のある社員が
他にもいます。また人はそれぞれ、
持病や悩みや、自分あるいは
家族のことで他人には
知られたくないこと等
さまざまな事情を抱えて
います。
そういった個人の事情に、
お互いに敬意をもって
接していただきたく、
皆さまの良識ある判断を
お願いいたします。
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社員のHIV陽性が
職場で問題がないと同様に、
役員の息子の状況が
職場で問題視されることが
あってはならないと思います。
父が息子とどうかかわるかは、
父が決めればよい。
最後に、
コーチの立場を持ち出すと、
私はＴＶ局の社長に
こう問いかけます。
何のために、あなたは、
自社の役員の息子が
重大事件で逮捕されるという
デキゴトを引き起こしたのですか？
気づくことが
たくさんあるはずです。
ではまた！
坂本 夏子
ことば屋＆人事屋
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®
人事コンサルタント