【飛躍のヒント】#11 届くことば・届かないことば

三日間、ヘビーな内容が続いたので、今日は、 軽めに。

みなさんは、自分の周りにいる人たちについて、自分が気づいたことを、その人に伝える場面って、ありますか?

コミュニケーションの用語としては、フィードバック、と言われるものです。

コーチングでは、とても重要ですし、結構、日常的に、無意識のうちに行っているかもしれません。

昔、面白い経験をしました。

小学校2年の頃。

私は、母方の祖父母と 一緒に暮らしていました。祖父は、バリバリの明治男。

ある時、私に言いました。

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お前は、すーぐ だってさ、と言う
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言われてみれば、そうかも

だってさ、って、英語でいうところの because です。

何かを主張した後に、その理由を述べるためのことばです。

だってさ、いやなんだもん

だの、

だってさ、お腹すいたんだもん

なんて、私は、よく言っていた のでしょう。

何かと主張と理由の陳述を繰り返す孫を、祖父は、楽しんでいたのか。

じいちゃんのそのことばは、私にとって、納得できるものでした。

同じころ、学校の先生が、通知表の「所感」欄に私のことを、こう書きました。

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理屈っぽい
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ちょっと、ちょっと、 何よそれ?

だからどうだって言うの?

これは、すごーく、 私を、宙ぶらりんな気持ちにさせてくれました。

祖父と先生は、たぶん、 私の言動から、同じようなことに気づいたのだと思います。

でも、まったく異なる言い方で、本人に フィードバックしたわけです。

祖父は、私の言動を描写した。

先生は、解釈を述べた。

しかも、どうみても、 ポジティブというよりはネガティブなトーンの解釈。

フィードバックをする以上、相手に何かのインパクトを与えようとしているわけです。

喜んでもらいたい。
安心してもらいたい。
気づいてもらいたい。
変化してもらいたい。

その結果を得るためには、自分の投げたボールを相手が受け取る、というのがまず、大事。

小学校2年の子供でも 効果的なフィードバックとそうでないフィードバックを聞き分けるんですね。

相手がうなずくためには、行動を描写するのがポイント。

世界中の上司の皆さん、
上司を何とかしたい部下の皆さん、
妻や夫にてこずっているあなた、
愛する人ともっといい関係を 作りたい ladies and gentlemen、
子を持つ親の皆さん、

フィードバックをする時は、相手の行動にフォーカスして、それを描写しましょう。

解釈ではなく。

(解釈を伝える必要がある場合、相手にそれを受け取る準備ができたあとで)

そして、相手が気づいていない行動の特徴ならば、いっそう、価値があります。

本人は、ぐさっとくることもあるでしょうが。

解釈だけ、とくに、「理屈っぽい」の一言のような、抽象的で、ネガディブで、解釈のみのフィードバックをすると、逆襲がこわいですよ。

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坂本 夏子