【飛躍のヒント】敵は本社

坂本夏子です。

前回、私の人事屋ストーリーを
始めました。

テーマは障害者雇用。

この夏、話題になった、
役所の「雇用率水増し」の件で
久々に、このテーマにスイッチが
入りまして。

障害者雇用って、簡単では
ありません。

そして、課題に主体的に
取り組むと、多くのことが
得られる場です。

前回のお約束どおり、今日から
しばらく、私のリアルな体験を
お伝えします。

こんな状況でした。

まず、採用って、そもそも、
難易度の高い仕事です。
(気づいてますか?これ、私の
前提です)

会社の求めるスキル、経験、
思考・行動パターンを持った人を
探し出して、自社に興味を持って
もらい、

諸条件の折り合いをつけて、
互いに選び選ばれる関係の中で、
決めます。

そんな人が、わんさか、いるか、
というと、そうではありません。

それが障害者雇用となると、
候補になる人は、国が発行する
「障害者手帳」を持っている、
という条件が加わりますので、
ますます、ハードルが上がります。

ハードルの高さには、
アメリカの会社特有の事情も
絡んでいます。

多くのアメリカの会社がそうだと
思いますが、

「仕事に人をあてはめ」ます。

逆に、日本では、人に仕事を
あてはめる、とよく聞きます。

アメリカの会社では、まず、
組織図を描き、こういう職務
(ジョブ)を、いくつ作って、
人件費をいくらかけて、という
枠組みを決めてから、人を
採用します。

ジョブの数のことをヘッド
カウント(頭数)といいます。

なんとも、人間味のない、ことば
ですよね。

で、ヘッドカウントを、日本側で
決められるか、本社が指示して
くるかは、会社によって異なり、
私がいた会社では、みごとに、
本社主導でした。

フォードという車のメーカー
です。

本社に、日本の法律で障害者を
採用する必要があるから、その分、
人数を増やしていいでしょ?

と聞くと、No です。

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法律で決まっているんだな。

わかった。ビジネスは、法律を
守って行うのは、あたりまえ
だから、その中で、やるべき
ことをやって、利益を出すのが、
君たちの仕事。

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と言ってきます。

ここが、私(たち)にとって、
最も高いハードルでした。

なので、障害者雇用の報告で、
国にウソをつくなんて、みじんも
思わず、むしろ、本社の監視を
いかにかいくぐるかが、この
仕事のポイントでした。

文句をいっても始まらないので、
覚悟を決めて、退職者が一人
出たら、次の人は、障害者手帳を
持った人にしよう、といった判断
をするのです。

手帳保持者を専門に紹介して
くれる会社があったので、そこに
頼んで紹介してもらい、
成功報酬を払って採用する、
というステップを踏みました。

一歩一歩の歩みです。

それをしながら、いろんなことを
学びました。

例えば、「障害」には3つの
区分けがあります。身体障害、
知的障害、精神障害です。

身体障害にもいろいろあり、
見てわかる手足や目の障害も
あれば、内臓の疾患もあります。

マクドナルドは、店舗で
知的障害者を採用し、その人たちが
いい仕事ができるように、
仕事や指導を工夫している、
と聞きました。

専任の指導員もいるって聞いたと
記憶しています。

同じアメリカ系の会社として、
すごいな、って思いました。

米系の大手金融機関が雇用率が
高いと聞いたので、どうやって
いるのだろうと思い、訪問した
こともあります。

そこは「障害者枠」を、別枠で
持っていました。

さすが、財力のある会社は
違うわ~、と、感心しました。

そんな時に、紹介会社を通して、
一人の候補者と出会います。

人生では、味なことが起きます。

まあ、味なことだったと
気づいたのは、最近ですが。

続きは、あした。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®