そぎ落とすって、どういうことでしょうか?
友達のカフェ & サロンオーナーの依頼で、最近、初級の「通じる英会話」を教えています。
私が一番大切にしているのは、
1)言いたいことを日本語で明確にすること
2)それを、できるだけ簡単な英語で表現すること
この二つです。
特に大事なのが、1)です。
言いたいことを明確にするには 「何がポイントなの?」 という問いかけを自分にする必要があります。
不要なものをそいで、大事なポイントだけを残します。
いきなり、「これを英語で何というのか?」 という変換作業に走ると、通じにくい英語になりがちです。
普段、日本語をしゃべっていると、ほぼ、無意識のうちにしゃべっていて、自分の言いたいポイントは何か、なんて、あまり考えないかもしれませんね。
なので、英語を話すことで、日本語を明確に話す訓練にもなります。
それに関して、最近、なるほど、と思ったことがあります。
天皇陛下の生前退位の一件。
はじめ、メディアでは、生前退位ということばが盛んに使われていました。でも、なんか、しっくりきませんでした。 退位する以上、それは、生きている間にしかできないわけで、なぜ、生前ってつけるんだろう?
そんなとき、この英語をネットで見ました。
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The Emperor wants to retire.
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天皇は退位を望んでいる。
なんだ、Retire か。 だったらやっぱり、日本語は「退位」 じゃん。
サラリーマンが定年退職するのも Retire
経営者が後継者に道を譲るのも Retire
一人で事業を営んでいる人が、辞めて、悠々自適にくらすのも Retire
天皇がお年を召して職を辞すのも Retire
どれも一緒。
実際、英英辞典で Retire を 引くと、定義の一つに、 (cause to) stop working at one’s job, profession, etc. usu. because of age とあります。 (仕事や専門的職業において、働くのをやめること。通常、年齢のために)
天皇の生前退位は、Retire が ぴったりです。
最近は、新聞もTVも「退位」ということばを使っていて、「生前」ということばはつかなくなりました。
「言いたいことの本質は何か?」 をクリアーにすると、使うことばが、すっきりして、通じやすくなります。 日本語も英語も、上達します。
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坂本 夏子