「もし○○であれば、Yes」が 効かない。でも相手にNo を 納得してもらう必要がある時、どうしますか?
昨日のテーマの続きです。 ちょっと長いけど。
私の今の職場は、会社をたたむ真っ最中。
お役所相手の手続が、たっぷりあります。 その中に、会社をたたむ根幹にかかわる重要プロジェクトがあり、日本チームは、とある提案を本社にしていました。
社員のため、会社のための必須の提案で、社内外の関係者の合意も取っていました。
その案に対し、本社から、代替案という名の、別のリクエストが来ました。
日本チームからすれば、極めつきの実現不可能なリクエスト。日本の法律がからむ案件で、法的に No なのだから、それが答え。 霞が関のお役人も、No と明言 しました。
我々日本チームは、手を変え品を 変え、社内外の役者を総動員して、Noを説明し、オリジナル案で行くことを主張したものの、 相手は納得しません。
本社の船頭は、上海にいるアメリカ人。
何としてでもこうしろ。
できないのはおかしい!
法律の解釈が間違っている!
と、まあ、元気なこと。
ラチがあかないので、最後の手段 として、○○の奇跡が起こったら、Yes と言ってみました。
どのくらいの奇跡かがわかるように、データも添えて。
するとお相手氏は、
君のおかげで元気倍増!
奇跡を起こすために、 あれをしよう、これをやろう、、、
挙句に、「君もつきあえ」
は??
なんで私が、あなたの独り相撲に付き合わないといけないわけ?!
絶対起きない奇跡を条件に、あきらめてもらう筋書きだったんだけど、効きすぎたか。。。
そういえば、「奇跡」ということばには飛びつく人だとわかって いたのに、すっかり頭から飛んでたわ~
このプロジェクト、会社と社員への影響を考えると、私とお相手氏の信頼関係は生命線でした。
幸い、これまでのやりとりから、彼が私を信頼しているのは読み取れていました。そこは維持しつつ、彼の望みはかなえられないことを、どうやって納得させるか?
さてさて?
まずは、 一人ブレインストーミングで 選択肢を洗い出し:
1- 理屈で No の主張を続ける。
2- 私はいや、と感情で押す。
3- 私にはそんな力はありません、どうぞ、私抜きでおやりになって、うまくいったらお知らせください、と逃げる。
どれも効かないな。。。
どうしよう?
そこで思い出したのが、昨日も登場した、賢いカナダ人の教え。
その2
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Keep asking the question.
相手に問いかけ続けよ
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主張するのではなく、質問する。 そして、相手に考えさせ、相手の答えを促すという手法です。
その案件では、日本の役所がどう判断するか、というのがポイント。
しかし、お相手氏は、自分の主張をするばかりで、相手である役所が何を大事にしているのかに、思考と興味が及んでいません。
役所の判断はすでに出ていたの ですが、それを覆させるのが、彼の、奇跡のゴール。
その気にさせてしまったのは私。
決して、怒らせてはならない。 彼の盲点に、自分で気づくように手伝ってあげよう。
ハラが決まって、こう質問しました。 「あなたがどのくらいの影響力を日本の役所に対して持ち得るかを、俯瞰して評価するために、日本の役人の行動パターンについて、 興味ある?」
それまでは、ずっとメールでやりとりしてたのですが、速攻で電話がかかってきました。
「興味ある」とのこと。
しめしめ。
「あなたがボールを投げたとして役所の人たちは、こう返すと思うよ」
「役所の人たちが○○のように 動いてくれたら、奇跡はおきるけど、そこまでのことを、うちの会社のために、彼らがするかな?」
「何の得があって、彼らは、そんなことするのかな?」
そこまでやりとりをしたら、お相手氏は、やっと、勝ち目のない戦をしかけている、ということに気づいたようです。
「わかった。もうやめる」 「みんなの時間を無駄にしたく ないし」
と結論を出しました。
しかもですよ、驚いたことに、
僕もさあ、だめだろうな、って 思ってたんだよね。だから、先週、 上司には、たぶん、無理って言ったんだ。でもさ、会社に とって、めっちゃ重要なことだから、なんとかならないかな、って、必死だったわけ。
と、 元気なエグゼキュティブ氏の本音が出てきました。
彼も、挙げたこぶしのおろしどころを、探っていたのでしょうか。
彼の締めのことばは、 アドバイス、ありがとう。
?
アドバイスなんかしてなくて、質問しただけなんだけど。。。
やったね!
消える魔球を投げた気分でした。
楽しかった~
日本チームは、みんなで ハイタッチ!
今日の結論: 盲点はどこか?
ブレークスルーコーチ x
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
坂本 夏子