【飛躍のヒント】HIV / ニュートラル & フラット

坂本夏子です。

先週、シリーズでお伝えしていた
HIV話の最後に、

久しぶりに、イベントで話す、
とお知らせしていました。

おととい、行ってきました。

全国から、AIDS/HIV医療の最前線にいる、
いろいろな立場の人々が、
約80名、広島に集まった
すばらしい会合でした。

いろいろな発見が私にあり、
とりわけコミュニケーションについて、
学びが多かったので、
今日は、それをシェアします。

以前に比べ、西洋医学はかなり
進歩していて、

例えば、
ちゃんと薬を飲んでいれば、
血液検査で、ウィルスが
検出されないレベルにまで、
回復することが可能だそうです。

そこまでくると、誰かにうつす、
ということはなく、

U=U

というキャッチコピーまで、
あるのです。

Undetectable (検出不可能)

Untransmittable (感染不可能)

U=Uなんて、うまいこと言いますね。

気になったこともありました。

一般人の中には、

HIV=こわいもの、大変なもの、
といった捉え方をしている人が、
まだいて、

それが、陽性者の就職活動の
障害となっている、とのことでした。

事例が3-4件、出てきて、
とてもビビッドなプレゼンテーションで、
しかも、悪い話ばかりだったので、

私は、ちょっと危険、と感じました。

ある程度、このテーマに関心があり、
ポジティブな情報を持っている
私でさえ、世の中全体が、
ネガティブであるかのような、
錯覚に陥りそうでした。

また、参加者の中には、
HIVに初めて関わることになったので、
「まず、学びに来ました」
という人もいて、

そういう人は、初めて接する
「世間」の情報が、ネガティブだと、
無意識の洗脳をうけかねない、
と危惧しました。
(洗脳はすべて、無意識ですが)

世の中
= HIV陽性者にとってひどい場所

という前提ができてしまうと、
その前提に合う証拠を、
その人の脳は集めますので、

今後、その人が、見ること、
聞くことが、「ひどいもの」に
なってしまい、おのずと、

「世の中には偏見や差別が多い」
といった認識が形成され、
そういうことばが、数多く流通し、
それが次の偏見を生んでしまう
リスクがあります。

その循環を、どこかで止める
必要があります。

ギアチェンジのポイントは、
どこにあるのか?

その1

ポジティブな情報を増やす。

その2

もっと簡単で、

===========

ニュートラルに表現する

===========

です。

例えば、

「HIVが正確に理解されていない
ことによる、チグハグな反応が、
就職活動において、
発生することがある」

と表現してみる。

これだと、どうですか?

「ひどい」「遅れている」
「偏見」という、特定の
ニュアンスを含んだことばより、
受け取りやすいのでは
ないでしょうか?

さらに、これだと、
自分が何をすればよいかを、
考えやすい

です。

例えば、

正確に理解されていないんだね。

だったら、正確な理解を得るためには、
何を、どのように伝えたら
いいだろうか?

という建設的な問いかけに
発展しますし、

チグハグな反応があるんだね。

だったら、より、的確な反応に
修正されるように、次の一手を
繰り出せばいいんだね。

と、自分のアクションに落とし
込みやすいです。

発信者にとって、主体性を発揮
しやすく、受信者にとって
フラットなメッセージ
作ることができます。

表現の仕方次第で、
メッセージが変わるな、と
改めて感じました。

ニュートラルに表現する、は、
いろいろな場面で使えるワザとして、
おススメです。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォメーショナル・
コーチ®