【飛躍のヒント】詐欺のカラクリ

坂本夏子です。

今週の木曜日、急遽、通訳の仕事の
依頼を受け、お引き受けすることに
しました。

仕事場は、広島市外の、普段、
私には縁のないショッピング
センターで、

そこの従業員入り口に行くように、
との指定です。

自分の車で行くことにしたところ、
発注者である友人から、

「○○の駐車場にとめてね」

との指定があり、
そこから従業員入り口までの
ルートも案内がありました。

なにせ遠いし、自分で運転して
いくのは初めてで、
クルマにナビはついていません。

知らない場所では
駐車場をピンポイントで探すのだけで
一苦労なことも多いので、

指定の時間までにちゃんと到着するには、

一度、下見をしておいた方がいいよね、
と判断しました。

そして、昨日、時間をやりくりして、
行ってみたのです。

指定された駐車場というのが、
ショッピングセンターから、
道路をはさんだ位置にある、
パチンコ屋の駐車場でした。

なんでパチンコ屋の駐車場なの?
と思いながらも、友人から

「無料だし」なんてことばも出たので、

「ショッピングセンターの客として
行くわけではなく、そこで仕事を
するために行くので、
ショッピングセンターの
お客様駐車場には停めちゃ
マズイのね……」

と、素直に納得。

自宅から20キロほど運転し、
お目当てのパチンコ屋まで到着し、
駐車場を探しました。

友人と話した感じでは、
「平面」駐車場のイメージでしたが、
立派な「立体」駐車場が2か所。
駐輪場も完備です。

「ここでいいのかな?」と、
一瞬、不安になったものの、

間違いなく、そこは友人の指定した
パチンコ屋の駐車場。

さすが、パチンコ屋。
これだけの駐車場を無料で用意して、
商売、成り立つんだ……

と、再び、脳内トークで納得です。

そして、人生初、
パチンコ屋の駐車場に車をとめ、
ショッピングセンターの
従業員入り口に向かいました。

すると、
友人から電話がかかってきました。

木曜日の仕事のスタート時間が
早まったとの連絡でした。

了解、と返事をし、

「今、現地に下見にきてるんだけど、
クルマをとめるのは、
パチンコ屋の立体駐車場で
いいんだよね?」

と私。

立体駐車場?
ううん、違うよ。平面の駐車場よ。

えっ?
パチンコ屋の駐車場は立体しかないよ。

ん?
パチンコ屋の駐車場じゃなくて、
パチンコ屋の横に、ショッピング
センターの平面の駐車場があるはず。

そこにとめて。

あそこは、知っているお客さんが
少ないから、とめやすいんだって。

ハイハイ。

謎が解けました。

仕事の依頼を受け、
どこの駐車場にとめるのかの
やりとりを、友人と電話でしていた時に、

彼女は、

「ショッピングセンターの駐車場が
たくさんあるうちの、
パチンコ屋の隣に位置するもの」

を意味していたのです。

それを私は、

「パチンコ屋の駐車場」

と解釈したのです。

なぜ、そう解釈したかが重要で、、、

郊外のショッピングセンターの
駐車場って、たいてい無料ですが、
時間制限があるところが多いのです。

3時間まで、とか、4時間まで、など。

そして
引き受けた仕事は丸一日なので、
時間オーバーで有料になるだろう、
と私は考え、

だったら、その超過料金は、
通訳代金とは別に払って
もらえるんだろうか。。。

を、せこく、気にしてたわけです。

その背景のもとに、友人が
「無料」ということばを使ったので、

私の脳内に、

駐車場・パチンコ屋・無料

という三つのキーワードが
インプットされ、

「現地についたら、パチンコ屋の
無料駐車場にクルマをとめる」

というストーリーが出来上がって
しまったのです。

よくよく考えれば、
ショッピングセンターとは無関係の
パチンコ屋に、そこの客ではない
私がクルマをとめること自体、
おかしいんですけどね。

クルマをとめながら、
「立体駐車場が二つあるけど、
どちらでもいいのかな」とは
疑問に思ったものの、

「パチンコ屋の駐車場にとめること」
自体を疑うことはありませんでした。

実際のところ、そのショッピング
センターのお客様駐車場は、
時間制限なく無料でした。

その知識も私はなかったのです。
なにせ、縁のない場所なので。

久々に長い前置きでしたが、
あなたにも、こういうことが
起こっていませんか?

これって、まさに、洗脳です。

今回のデキゴトで、友人には全く
悪気はなく、彼女の側に、
少し「ことば足らず」のところは
あったにせよ、

私が自分でストーリーを作って、
「パチンコ屋の駐車場にとめる」と
思い込んだ側面が強いです。

人は思い込んだら突っ走ります。

目に見えるもの、聞こえるものに
その「思い込み」に合うように
解釈を付け、疑いをもちません。

他人が見たら「おかしい」と
すぐに気づいたり、

冷静になってあとから考えれば、
自分でも
「おかしい」と気づくことであっても、

『洗脳』のマジックにかかっている間は、
脳がフリーズしているので、
気づきません。

私も昨日のデキゴトを振り返って、
まんまと自分で自分を洗脳して
しまったな、と感じています。

このメカニズムを悪用するのが
詐欺。

巧妙に、相手に「そう思わせ」
お金を振り込ませたり、
キャッシュカードを、玄関先の
”紳士”に渡したりしてしまいます。

詐欺なんて自分には関係ない、
とあなたは思うかもしれません。

でも、
大昔、誰かと、いやなことがあった、
なんてことはありませんか?

相手は親だったり、友だちだったり、
先生だったり。

その時に聞いた一言に、
勝手に自分で解釈をつけ、
自分の中に保存し続けていて、

何か、ことあるごとに、
その解釈を持ち出して、

ショッピングセンターに入るために、
パチンコ屋の駐車場にクルマを
とめてしまうような、

めんどくさいことを
していませんか?

何十年も洗脳されている可能性…..。

一度、自分の解釈を疑ってみると
いいかもしれません。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋

LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®
人事コンサルタント