【飛躍のヒント】HIV / 涙が出そうになりました

坂本夏子です。

HIVシリーズ、その5をお届け
します。

HIV陽性者を積極的に募集し、
選考の最終段階で、いよいよ、
社内の勉強会です。

今回も、講師は医師でした。

その時は、前回のように、
陽性者が現実に職場にいて、
同僚がショックを受けている、
といった緊迫した状況ではなく、

一般的な情報提供の色彩が
強いものでした。

でも、これから関係者になる
人に、正確な情報と、会社の
姿勢が伝わるという効果が
ありました。

終了後に、参加者から
アンケートを取ったところ、
ほとんどの社員が、

免疫機能障害者を迎えるに
あたり、

不安は「ない」「ほとんどない」
と答えました。

他にも、積極的なコメントや
質問がありました。

記憶の限り、ご紹介します。

「その人がエイズを発症したら、
会社は、解雇するのですか?」

「障害名の公表までして、うちに
入りたいと言ってくれていることに
感謝したい」

「何を今さら、大騒ぎするのか?」
「採用決定後に、報告してくれれば十分」

「一般的な話より、カウンセラーなど、
日ごろ、その人たちと接している人の
話のほうが、伝わりやすいのでは?」

などです。

みんな、結構、意識が高いな、
と感じました。

さらに、出血した時の対応を、
あらかじめ職場に周知する、
との提案もありました。

なので、産業医と相談して、
対処法をメールで配信しましたし、
総務部が動いてくれて、
各フロアに、出血対応キットを
備えつけました。

これは、HIVだから、
ということではなく、
いつ、誰でも、出血する
可能性はあるわけで、
職場の安全対策としての、
取り組みでした。

そして、涙が出そうになった、
コメントがありました。

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その人の障害を理解したうえで
無関心でいることが大事だと思う

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これぞ、
ダイバーシティーの本質!

その人のことを、理解していることは、
まず、必要ですよね。

そして、必要ない限り、
何も言わない。

これ、めちゃくちゃ大事です。

一旦、職場に入ったら、お互い、
ただ、仕事をすればよいわけで、

障害だの病気だの、
関係ないのです。
話題にする必要はありません。

そこを、いちいち、何か言ってたら、
それこそ、エネルギーの
無駄遣いですし、言われる方は、
うっとうしいはずです。

だから無関心でいる。

でも、理解していれば、もし、
相手に、障害に関して何か
起こったら、今度は、
「理解者モード」が発動し、

きっと「適切で暖かな」、
あるいは、
「しっかりと特別な」行動を、
その人は取るはずです。

通常モードと特別モードを
自然と使い分け、敬意をもって、
誰に対しても接する。

それこそが、良質な職場!!

そういうコメントを発する社員が
いることが、私は、嬉しかったです。

人事部が、自分たちだけで
仕事をするのではなく、
多くの人々を巻き込み、
知恵を集めると、

思いがけない効果が得られると、
学びました。

そして、まだ先がありました。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォメーショナル・
コーチ®