【飛躍のヒント】めぐる

坂本夏子です。

今日、じんわりしみいる、
いいお話を聞きました。

おとといのメールの
「つなぐ」 とも関係するので、
それをお伝えします。

NHKの朝の番組でやっていた、
宮崎県の綾町(あやちょう)の
お話です。

「照葉樹林都市」
「有機農業の町」

として有名な町らしいです。
私は初めて知りました。

何がすごいって、
山の中の小さな町なのに、
この40年、人口が横ばいで
減っていないのです。

ネット情報も交えてお伝えすると、

1960年代、
綾町は「夜逃げの町」と
言われていたそうです。

町の80%は山林で、
農地面積は9%、
土地はやせていて、
他地域に比べ収穫量は半分以下。

そして、
高度経済成長期の日本にあって、
林業は衰退の一途。

住民にとって、
希望の持てない町だったことが
想像できます。

そんな中、林野庁から、
山林を伐採する計画がもたらされます。

綾町の山林は照葉樹林の原生林。

その計画に乗れば、
一時的に雇用がもたらされ、
町には経済的なメリットがあります。

町議会はおおむね伐採に賛成。

ところが、
町長の 郷田 實 (ごうだ みのる)さんは、

「あの山を伐らせてなるものか」

と反対に立ち上がるのです。

町長は自ら、照葉樹林のことを
猛勉強し、

いかに山が恵みの源であり、
その恵みによって、人間も動物も
生きているかを実感するんですね。

その時、
お嬢さんに言ったということばが、
泣けました。

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誰も耕さない。
誰も肥料をやらない。

なのに
山は何百年と続き
毎年、何十万という実をつける。

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まさに「めぐる」です。

太陽の光。
水。
酸素。
土。
多様な命。

そして、
住民の75%の伐採反対署名を集め、
農林大臣に直訴。

山を守りました。

その後、綾町は、
照葉樹林を広く人々に知ってもらおうと、
歩いて渡れる、長いつり橋を作ります。

日本各地、世界各地から
人が訪れるのだそうです。

自然の中での人間らしい暮らしを
求めて、全国から移住者も集まり、

それもあって、人口が維持されて
いるようです。

町の人々は山に誇りと愛着を持って
暮らしながら、

そこにあるものを丁寧に活かし、
つなぎ、めぐらせているのでしょう。

ウィキペディアによると、
植物学や文化人類学の観点からみると

中国の雲南・チベットから
華南(長江流域)、台湾を経て
日本の南西部に広がる照葉樹林帯に
共通の文化要素が多くあるとの
ことです。

前回のメルマガで書いた、
中国人の研究者の話にあった

「日本の皇室の文化が
アジアが共有した
伝統文化の核心的部分を
現代に伝えている」

とも重なります。

そう言えば、皇居も、
東京のど真ん中にありながら
隔離され守られているので、
生物学的に貴重な原生林ですよね。

宮崎って、天孫降臨の地として、
日本の歴史において重要な場所の
イメージがあります。

何かを
つなぐ、めぐらせる、守る、活かす。
その大切さを、今、すごく
感じています。

人生で、行きたい場所が増えました。

今日のお話は、何がどう、
ということはないのですが、

豊かな山の人々の話を
あなたに届けることで、

私たちの中に、何か新しいものが
芽生えるかもと思いました。

綾町のサイトはこちら↓↓↓

https://www.town.aya.miyazaki.jp/index2.html

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋

LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®
人事コンサルタント