【飛躍のヒント】[深夜便] 時間軸を自由に/重要追加あり

坂本夏子です。

久々の深夜便です。
今日のうちにお伝えしたくて。

きのうは、
天皇陛下の即位礼正殿の儀が
行われました。

私は一週間前のメルマガ
つなぐ」でお伝えしたとおり、
楽しみにしていました。

あいにくの雨で、平成の時のように、
平安時代の文官、武官の装束に
身を包んだ宮内庁職員の人たちが、
ズラーッと庭に居並ぶ「絵巻物」が
見られなくて、
そこはちょっと残念でした。

でも、昨日の一連の行事を見ながら、

日本のこと、
世界のこと、
平和のこと、
文化のこと、
コミュニケーションのこと、
天皇制のこと、
人としてのプレゼンスのこと、
「おことば」のこと、

などなど、

いろんなことをブワーッと思いました。

その中で、
とりわけ強く感じたことを、
二つシェアします。

一つは、
韓国の李洛淵(イナギョン)首相の
ことばです。

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50年にも満たない歴史のせいで、
千数百年にのぼる両国の友好が
そこなわれるのは愚かなことです。

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これには、ぐっときました。

李首相は、かつて、新聞記者として
東京に駐在していたことがあるなど、
今の韓国政府の中で、
最も知日派の一人だそうです。

その人を文在寅(ムンジェイン)
大統領は日本に送ったんだな、と、
ちょっとホッとしました。

そして、李首相の持つ
時間軸の長さが、いいな…. と。

二つ目は、
これは私の個人的な意見であって、
それを ”政治主張” としてここで
展開するのが目的ではないことを、
あらかじめ、お断りしたうえで
書きます。

あくまでも、
課題に対する視点の話です。

日本の天皇制は、
日本と世界のために大切、
だから守ろう、

との立場をとっている私は、
早く女性・女系天皇を認めて
欲しいと思いました。

そこにも時間軸が関係していて、
それが今日の本題です。

日本の皇室は、若い世代の男性が
一人しかおらず、今や絶滅危惧種です。

で、これまでは、男系男子のみが
皇位を継承してきたわけですが、
過去の天皇の40%以上は、
側室の子だったとのことです。

とすると、男系男子に限るという
伝統は、一夫多妻を前提として
維持されてきたのが明らかです。

今はその前提がくずれています。

まあ、国民が、
天皇だけ一夫多妻にしてもいいよ、
と言えば、論理的には可能ですが、

現実的にはかなりムリな話です。

というわけで、天皇も今や、
前提は一夫一婦です。

前提が変わった以上、
対応を変えるのは自然なこと。

だったら、
女性天皇も、その人の子である
女系天皇も、いいじゃん別に、
って思います。

最も大事なのは「つなぐ」こと
であって、男系という手段を
目的にすると、判断を誤ります。

この時、政府のいわゆる保守派の
人たちの反対に、どう対応するかが
課題なわけです。

そこは、韓国の首相のように、
時間軸を長くとれば、解決できます。

こんなことを考えました↓↓↓

男系を保ってきたとはいえ、
それが史実として確認されているのは、
千数百年のこと。

よしんば、神話の時代のことを
加味したとしても、2,700年
くらいのことです。

「その長きにわたって
維持してきたこと」ととらえると、
そこで思考停止してしまい、
にっちもさっちもいかなくなります。

新たな視点を持ち込みます。

日本という国や日本の天皇制が、
この先、一万年、二万年続くと
考えるのです。

先の方がうんと長いわけです。

あー、あの時、
「男系オンリー」から
「女系もOK」に変えてよかったね、

令和の時代の人たちが、
そうしたんだって

と未来の日本人に言わせれば
いいじゃん、

って思います。

~~~~~~~~~~~~~~

前提が変わったら対応を変える

~~~~~~~~~~~~~~

それってあたりまえ。

そして、それは天皇に限ったこと
ではなく、私たちの日常の、
どんなことにもあてはまります。

なんてことを、
きのうから今日にかけて、
たくさん考えました。

時間軸を自由に!

ではまた!

↓↓↓

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重要追記: 2020/9/23

この記事を書いてから
約一年たちました。

皇統の維持について
私の考えに変化が起きたので、
書きます。

今は、女性天皇はよいけれど、
女系天皇は不可、つまり、
男系を守るべきではないか、
という考えに変わりつつあります。

まだ心が決まったわけではなく、
逡巡しているところもあるのですが。

というのは、
最近、この件について少し勉強したのです。

そこでわかったのは、

日本の皇室の家系は、
父方に天皇がいた人々によって
成り立っている、

それがそもそも皇統というものであって、
それ以外の人が入ると、
皇統が途切れる。

それが「万世一系」の意味であると。

このことを、
ある国会議員が「父系」という
ことばで表しています。

彼は、「女系、男系というと
本質が見えなくなる。」
「『父系』と呼ぶべき」と
主張しています。

それを外国人に英語で説明する時は
「father’s line」と表現するそうで、
「すると一発で通じる」と。

私もその表現を聞いて、
一発で理解しました。

長いこと、万世一系の意味と
なぜそれが重要なのか、
わからなかったのです。

男系、女系というと、
男女同権とか、男女平等、
西洋の王室は男女ともにOKといった
視点で議論をしてしまいがちで、
「だから女系も認めるべき」と
なりがちです。

ことばを父系、母系に変えると、
「今の天皇家はずっと父系できた」
「母系の人が天皇の地位につくと、
その瞬間に天皇家でなくなる」
と思えてきました。

だから、
「天皇 = 父系」の前提が
天皇に関する前提の中でも、
最重要なのではないでしょうか。

では、現実問題として、
今の皇室で男系の皇位継承者を
どのように増やすのか?

GHQの決定によって皇族から離れた
旧宮家の男系男子を迎え入れる
選択肢は、検討に値すると
思います。

皇室の祖先は天照大神という
女性です。

ということは、
その女性の放った大いなる精神を
代々、父方に天皇を持つ人々の
血によって引き継いできたのが、
日本の皇室である、
と言ってよいのではないか….。

そして、
ここからがさらに重要です。

その皇室をずっと持ち続けてきた国が、
日本なのではないか。

つまり、日本と皇室は一体であり、
不可分なのです。

それが「国体」の意味ではないのか。

天皇が、制度としてよいとか大切と
いうことではなく、そもそも
「日本国」の定義の中に、
「天皇をいただく国」もしくは
「天皇によって護られている国」
という概念が入るのではないか。

それが、
ポツダム宣言受諾に至る過程で
時の政府が最後までこだわり、
でも条件として認められなかった
「国体護持」という意味なのではないか。

そう考えると、
皇室とは何かという本質を
きちんと理解することなく
「母系天皇を認めるか認めないか」の
議論をしたり、結論を出すのは
浅はかなことだと気づきました。

それが今の私の考えていることです。

一年前の私は、浅かった!

令和二年、少し、深くなりました。

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坂本 夏子

ことば屋&人事屋

LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®
人事コンサルタント