【飛躍のヒント】#155 役所の不正にホッとしました

この夏、国のお粗末な話が、
話題になりました。

障害者雇用率の水増しです。

はからずも、私の人事屋魂が、
うごめいてしまいました。

ご存知の方も多いと思います。
どんな話かをまとめますと、、、

一定数以上の職員・社員がいる
組織は、役所でも民間企業でも、
法律により、所定の割合で障害者
を雇用することが義務付けられて
います。

その「法定雇用率」は、現在、
国・地方公共団体が2.5%、
民間企業が2.2%です。

法定雇用率に満たないと「未達」
の人数、一人に対し、年間、多くの場合
60万円の、「納付金」という名の
ペナルティを事業主(役所や会社)
は、支払います。

どんな人を「障害者」とみなす
かは、法律で厳格に決まっており、
毎年、事業主は、障害者雇用の
状況を、国に報告しています。

今年、明らかになったのは、
国の中央省庁の約8割が、法律の
要件を満たさない職員を、障害者
としてカウントし、数字を水増し
して報告していた、というもの
です。

私は、この話を聞いて、実は、
ホッとしました。

怒りや、あきれ、というより、
なーんだ、そうだったんだ~、
でした。

それはなぜか?

障害者雇用が簡単ではないことを、
知っているからです。

ゼロから始めて、20年近く
かかって、最後は、当時の法定の
人数を達成しましたが、その
道のりは、一歩、一歩。

進んだり戻ったりする歩みでした。

おかげで、その間に多くのことを
経験し、学びましたし、私の
「らしさ」を発揮する機会にも
恵まれました。

当時から、民間より役所の方が
法定雇用率は高く、しかも、
役所は、法定の数値を達成して
いました。

私は、素直に、

「やっぱり、役所は手本を示す
べき存在だから、民間に比べ、
高い基準が設定されているんだ」

「しかも、彼らは、ちゃんと達成
している。そこは、すごいよね」

と、思っていました。

さらに、自分たちが、法定の数字
を達成していない間は、企業
として、なんとなく、うしろ
めたさを感じていました。

ところがです。

国の役所は、ウソの報告を
していて、本当の雇用率は、
1.19% しかなかったことが
明らかになりました。

新聞報道によれば、同じ時期の、
民間企業の雇用率が、1.97%
だったとのことなので、民間の
方が、ちゃんとやってましたね、
という話です。

なんだ。
役所が水増し報告をするくらい、
大変なことだったんだ。

ちゃんとやってて、
よかったんだ。

うしろめたさなんて、感じる
必要は、なかったんだ。

と、急に高まる、自己肯定感。

なぜこんなことになったか、と
いうと、民間に比べ、役所の場合、
「報告」の際に求められる情報が
少ないので、ウソがつきやす
かったみたいです。

甘いチェックに乗じて、長年、
でたらめをやってました、
という話です。

さすがに政府は、各省庁に号令を
かけ、速やかに、雇用率を達成
せよ、と、言っています。

最大限、年内に、などと。

でも、私は思うのです。

=========
あせらない方がいい。
落ち着いてやれ。
=========

と。

メディアも私たちも、
表面的な数字より、中身が
変わったかを、見守るほうがいい。

長年、ウソをついて、数合わせを
やっていたわけです。

障害者雇用促進法の精神を
尊重せずに、どうすれば、組織も、
障害者手帳ホルダーも、ハッピー
に成果を出す関係が築けるか --

その課題に、誠実に、主体的に
向き合うことをしてこなかった
人々です。

「やらされ感」で仕事をしてきた
からこそ、不適切な水増し報告で
ごまかしてきたわけです。

そんな集団に、数値目標の達成を、
急に迫ったら、やらされ仕事や
責任の押し付け合いが、
増大するだけです。

組織にも、よしんば採用される
障害者手帳ホルダーにも、
ハッピーな結果は生まれないと、
想像します。

私はむしろ、彼らには、あせら
なくていいから、これからは、

仏像に魂の入った仕事をしようね、

と言いたいです。

財務省のセクハラの件もしかり。

進んだ民間より、三周遅れという
感じの役所が、少々時間は
かかっても、本気で変わったら、
日本全体が、もっとよくなる
はずです。

誠実に工夫し、ちゃんとやって
きた民間から学ぶことだって、
大いにやればいいのです。

そうすると、官民の連携も
増します。

国の役所の障害者雇用という
テーマは、日本という国が、

「互いの違いを認め、尊重し、
いろんな人の、いろんな力を
集めて、創意工夫しながら、
チーム力をアップさせる。

それにより、高いパフォーマンス
を出す」

つまり、Diversity and Inclusion の

文化を築く、可能性を秘めた

テーマだと思います。

ダイバーシティ と インクルージョンとは、

多様なものを受容し包含するという

考え方であり、あり方です。

私の好きなテーマなので、
次回からしばらく、

障害者雇用の経験を
お伝えします。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォメーショナル・
コーチ®