【飛躍のヒント】ホテルマンの1か月

坂本夏子です。

おとといの夜、これは見なきゃ!

とウズウズしながら見た
TV番組があります。

巨大ホテルで働く
ホテルマンの1か月を密着取材した
ドキュメンタリーでした。

タイトルは

即位の礼 晩さん会
密着・ホテルマンの1か月

舞台は昨年10月の
東京のホテルニューオータニ。
天皇陛下の即位の礼の直後の、
晩餐会・会場だったホテルです。

私は、職場としてのホテルに
すごく興味があるんですね。

社会人のスタートだった場所で、
しかもその年にオープンした
ホテルの開業メンバーだったので、
その時の熱気がまだ体の記憶に
残っています。

いや~、面白い番組でした。

世界中の国家元首やそれに準ずる
人々が600人以上集まり、

しかも場面は天皇の即位という
何十年かに一度の、
国家の威信をかけた外交イベント。

ホテルマンたちにとって、
キャリア史上、
最高難易度のプロジェクトのはずです。

パッと考えても、
いろんな役割の人々が
最高レベルの仕事をし、
最高レベルの連携をすることを
求められているのがわかります。

そこで彼らが、何を考え、
何をどのように行ったのか?

それを番組は伝えています。

例えば、、、

現場の総監督、
グランシェフの中島眞介さん。
ホテル内に39あるレストランの、
480人の料理人のトップです。

内閣府から指示された
晩餐会のテーマが
「日本を伝える」だったとのこと。

中島シェフは食材の生産者との
つながりを大切にしていて、
例えば、岩手県軽米(かるまい)
という地域の雑穀農家。

自ら出向き、農家の人たちの
雑穀にこめる気持ちや仕事への
誇りを直接知ったうえで、

彼らの作物を、ホテルに来る
日本中、世界中の人々に、
自分たちの料理を通じて
届けている様子が伝わってきます。

生産者の一人のことばがこれ。

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私たちは貧乏人だから
雑穀つくってたんだけど、

今は世界に発信するって
誇りをもって作っています。

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この晩餐会の難易度を象徴する
制約の一つが、時間の短さです。

食事のスタートから終了まで
70分。そこに6品を出す
フルコース。

さらに、
宗教上もしくはアレルギー等の
理由により、食材に特別対応を
必要とするお客様が200名以上と多く、

それは通常の宴会の10倍。

かなりの個別対応をした、
最高の料理を作り、

それを最高の状態で、
分単位、秒単位の正確さでもって、

キッチンから出し、
350人のウェイターに引き渡し、

600人のお客様に優雅に届け、
日本を感じていただく。

それが仕事です。

そのミッションをコンプリート
するために、中島グランシェフは、
一人のシェフを、

”調理部門のロジスティクス” の
責任者として任命します。

そして、特別対応の内容と数が、
当日の午前中まで最終確定せず、

各調理場の責任者たちは、

「指示を待っていられない」と、

自分たちの判断で、
Aのときはこうしよう、
Bになったらああしよう、
というプランを考え、

実行していきます。

前日のリハーサルでは、
ウェイターたちの長い行列が
通路をふさいでしまい、
にっちもさっちもいかなくなる、
という事態も起きました。

ウェイターの責任者は、
その段階で、解決策を持たないまま、
翌朝を迎えます。

そして当日、内閣府との交渉により、
とある解決策が見つかり、

それを実行したことで、
料理を出し、空いた食器を下げる
ウェイターたちが見事に流れるのです。

結局、
事前の綿密な準備と
当日の臨機応変さと、
すべてのホテルマンたちの仕事が
カチッと合わさって、
すべてがうまくいきました。

最後の中島グランシェフの
ことばは、こんな感じでした。

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私たちは黒子です。

お客様の笑顔は見えないけど、
お料理をほとんど残さず
召し上がっていただいてるって
ことが、

私たちにとってはお客様の
笑顔ですね。

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この番組を見て、
気づいたことがたくさんあります。

一番、感じたのは、

私にとっての仕事の醍醐味は

「同じゴールに向かって、
みんなが役割を分担し、連携して
ゴールを達成することである」

ということです。

一人一人が役割を果たし、
それをつなげていくことで、
幸せも楽しみも面白さも

生まれる。増える。世界に届く。

そしてそれこそが、
私が、なぜ、37年前、
新卒で就職活動をしていた時、
ホテルという職場を好きで選び、

その時の体験を、今も、
キャリアの原体験として
大切にしているのか、
という理由だったと
気づきました。

長々と書きましたが、
あなたが今、やっている仕事が
ありますよね。

大小や、
どこかの組織に属しているのか
いないのか、
フルタイムかそうでないのかなど
問いません。

その仕事を好きですか?

それとも、好きではないですか?

いずれにしても、
自分が何に醍醐味を感じているのか、
あるいは、どのような醍醐味が
あり得るのか、

それを問いかけてみると
視野が一気に広がるのでは
ないでしょうか?

年の始めに、おススメです。

番組ホームページはこちら。
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92899/2899085/index.html

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋

LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®
人事コンサルタント