【飛躍のヒント】非凡な久松社長の逆転ホームラン

昨日の記事では、年末に
全国ニュースになっていた出来事を
取り上げました。

久松(ひさまつ)という、
お節料理をネット販売していた
会社と、クロネコヤマトの
一件です。

クロネコのミスで、久松の商品が
北海道のお客様に届かず、
直接的な損害額が約1900万円だった
という出来事です。

私が久松の社長だったら、
この事態をどう乗り切るか、という
妄想をしてみて、それを昨日
書きました。

妄想の中身は、これでした。
↓↓↓
https://sakamotonatsuko.com/hisamatsu/

昨日の妄想は、なにせ、凡人の発想。

非凡な社長だったらどうするか?

昨日は博多駅で、パッとは
思いつかず、今日、ちゃんと
考えてみました。

あなたなら、非凡な解決策を
どの視点から導き出しますか?

例えば、
お客様にどこまでの「償い」を
するか?

正月休みを返上して対応をした、
自社の社員にどれだけ報いるか?

いろいろなポイントがありそうです。

わたしは、とりあえず、
久松 vs クロネコヤマトの関係を
軸に、考えました。

今回の件は、報道からすると、
原因は単純。

クロネコが、本来ならば「冷凍」で
配送すべきだったのを「冷蔵」で
トラックを走らせてしまった
ことにあるようです。

冷蔵では品質が確保できないので、
納品しないという選択を久松は
したわけです。

久松がクロネコに対し、
「冷凍」か「冷蔵」かの指示を
間違えたり、あいまいにしていたとは
考えにくいので、ここでは、
指示は適切だったという前提に
立ちます。

この状況だと、責任は全面的に
クロネコにありそうです。

なので、お客様への返金の資金は
クロネコが出す、というのが、
常識的な判断かな、と考えます。

ところが、非凡な久松社長の答えは
これです。

=============

すべての金銭的負担を自社が負い、
クロネコに責めを負わせない。

=============

起きていることは、すべて必然。
クロネコを選んだのは自分。
だったら、その結果も、自分で
引き受けよう。ここから、新しい
価値をつくり出す。

約1900万円の返金。
プラス社員の休日出勤人件費。
お客様への送金手数料。

すべて、うちでまかないます、

という太っ腹な久松社長。

こう出られたら、今度は、
クロネコが黙ってはいないでしょう。
天下のヤマト運輸です。

会社の規模も社会的影響力も、
有限会社久松より、圧倒的に上。

でも久松社長は言います。

いえ、大丈夫です。
確かに、冷凍を冷蔵と間違えたのは、
お宅の社員さんのミスでしょう。

でも、宅配便の現場って、
大変なんでしょう? 一年で最も
忙しい年末、ついうっかり、
ということだと思います。

うちだって、お節の製造現場は
殺気立っています。お互い様です。

お客様への配達前に気づいて
くれたおかげで、劣化した商品が
お客様の口に入るのは防げました。
最後の砦を守っていただいて、
ありがとうございます。

やってしまった社員さんと上司には、
御社の規程で懲戒の処分が科されると
思います。

うちのお節を楽しみにされていた
お客様を失望させ、多大なご迷惑を
おかけしたわけで、

無傷というわけにはいかないでしょう。
でもそこは、久松に免じて、
寛大な措置をお願いします。

むしろ、再発防止策をしっかり
取っていただいて、より万全な
体制を作ってください。
来年もまた、お願いしますから。

こう来られたら、クロネコは
どう反応するでしょうか?

とはいえ、現実問題として、
久松の方は、今回のことで、
信用が落ち、売り上げの低下は
避けられません。

資金繰りも苦しくなります。

本当は、2019年は設備投資をして、
食品製造の現場をもっと快適にし、
社員に、もっと楽に仕事を
してもらうようにする予定
だったのですが、

その余裕はなくなってしまいました。

するとそこに、
天下のクロネコヤマトの
お助けがきます。

クロネコの紹介で、
新たな金融機関との取引が
可能になり、融資が受けられる
こととなりました。

その金融機関からは、顧客の
紹介も得られました。

しかも、今回の件で、久松は
クロネコヤマトのことを、一切、
悪く言わなかったため、
仕入れ先や既存のお客様からの
信頼が、むしろ高まりました。

「久松さんなら、何があっても
安心して付き合える」

2年たって売り上げも回復。
出来事を乗り切ったことで、
久松の社員のプロ意識と
会社の一体感も高まりました。

製造現場の設備の更新もなされ、
仕事がしやすくなったため、
社員の定着率も上がりました。

この非凡な対応は、その後
某経営大学院の授業で、
企業の危機対応の好例として
取り上げられ、久松の名声が
高まりました。

授業を受けた学生からインターンの
申し込みがあり、そして、採用に
至りました。

あー、よかった。

以上、非凡な久松社長の、
逆転ホームラン戦略でした。

妄想です。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋

LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル・
コーチ®
人事コンサルタント