【飛躍のヒント】#163 ゴールを目指すのはやめてください

日本のプロ野球。

広島カープが、いよいよ、
日本シリーズに出場です。

それ自体は、私は、
とっても嬉しいです。

でも、気になることがあります。

広島の街で、このところ、
よく目にすることばが、
「目指せ、日本一」。

NHKも、ニュースで、普通に
使っています。

そのことばを使いたくなる
気持ちはわかりますが、
目指す」ということばは、

実は、成功を阻害する、危険な
ことばなのです。

なぜか?

ことばの裏にある前提や、その
ことばが、本質的に意味する
ところを考えるとわかります。

「目指す」は、途中経過ですよね。

目指している以上、到達しません。

到達してしまうと、目指せなく
なります。

そして、目指すということばは、
どんな感じのことばでしょうか?

ゴールは、近いですか?
遠いですか?

ゴールへの道のりは、
簡単ですか? 険しそうですか?

例えば、山登りをしていて、
頂上を目指しているときを、
思い浮かべてみてください。

この質問をすると、多くの方が、
遠そう、大変そう、とおっしゃい
ます。

「目指す」ということばを使うと、
そのたびに、

「到達しない」「遠い」「難しい」

といった感覚を、自分や相手に、
無意識のうちに、植えつけて
しまうんですね。

誰かを応援したいなら、あるいは、
自分のゴールに到達したいなら、
別のことばを使う必要があります。

例えば、シンプルに、

「日本一であれ」

など。

「日本一になれ」は、おススメ
しません。

なぜならば、その前提に、
「日本一ではない」という
メッセージが隠れているので、

そう言うたびに「日本一ではない」
というイメージが強化されて
しまいます。

でも、応援ことばとして、

「日本一であれ」は、

ちょっと、おさまりが悪いかも
しれません。

では、どうするか?

答えは、これです。

==========
ゴールの先のゴールを、
表現する
==========

言い換えれば、

1)目の前のゴール達成は、
あたりまえの通過点であり、

2)その先の、遠くのゴールに
到達すること

を表現するのです。

私が、広島カープの緒方監督で
あれば、

「野球を通じて、夢をかなえる
世界を子供たちに見せるんだ!」

とかなんとか言って、選手を
送り出しますね。

今年の冬のオリンピックの開幕前、
スピードスケート500mで優勝した、
小平奈緒選手は、

「ゴールの先にある、自分自身、
やり切ったという思いと、皆さんが
感動したと言ってくださるのを
思い描いて」

と言っていました。

金メダルは通過点で、その先のことを
語っていて、そして、金メダルを
とりました。

アスリートのことばには、そんな
例がたくさんあり、それは、誰にでも
あてはまります。

「目指す」ということばは、つい、
使ってしまいがちなので、

意識して、ゴールの先の大いなる
目的を、表現してみてください。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォメーショナル・
コーチ ®