【飛躍のヒント】前提です、前提

坂本夏子です。

この二日間、

誕る(いつわる)

偽る(いつわる)

の話をしました。

そして、
「誕る」ということばの由来は
仏教で、

仏教では生まれること自体が苦、
とらえているらしい、

と知り、

それってあんまりじゃない?

と感じたことをお伝えしました。

すると読者から、
うなるコメントをいただきました。

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わたしもあまり詳しくないので
イメージで話しますが

仏教は
人に苦しみや悩みがある前提?

な感じで

キリスト教は
人が罪を背負っている前提?

な感じで

イスラム教は勉強不足すぎて
よくわからないですが

じゃぁ神道はどうなんだろう・・・と
調べようと思ったきり
調べていません><

(暫定的に、みんな神様って
前提じゃないかと信じています)

日本固有の古来の考え方を
もっと改めて見直したいなと
思う今日この頃です。

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それそれ!

と、目の前の霧が晴れました。

前提です、前提

私の疑問は、、

「仏教では
生まれること自体が苦って
どういうこと?

生まれることは幸ではないの?」

だったわけです。

そして、もし私が

「仏教とは、人は悩みや苦しみを
持っているという前提にたって、
その悩みや苦しみに、
どのように対処するとよいのかを
説いている」

と知っていれば、

「だったら、生まれること自体が苦
ととらえるのも当然だよね」

とすんなり納得したのです。

今日のこのやりとりで、
40年前のとある引っ掛かりが
解けました。

それが今日のお話です。

40年前、私は、
キリスト教系の大学に通っていました。

あるとき、
スピーチコミュニケーションの授業で、
アメリカ人の教授から

聖書に書いてあることを、
ワンセンテンス(一文)で言い表せ

という課題が出ました。

聖書の教えのキーメッセージは何か、
という本質的な問いです。

さてさて………

こんな一文を書きました。

この世界を創った神は、
人間を罪から救うために、
息子であるイエスを
この世に送り込んだ。

先生からフィードバックがあったかどうか
記憶にありません。

当時の私はそう理解していて、
そう答えた、というだけです。

そしてその時、自分で書きながら

だから何?

なんだか意味不明

と疑問に思ったのを覚えています。

その先生は、もともと宣教師で、
いわばキリスト教の中にいる
専門家です。

他にもそういう先生たちがいて
4年間必修科目だったキリスト教学や
学部の専門科目の一部を
そんな先生たちから学びました。

でも、誰一人として、
今回、私にコメントをくれた方のように
キリスト教の『前提』の話は
しませんでした。

ましていわんや、
他の宗教との比較情報は
ありませんでした。

読者さんのコメントにあった
各宗教の『前提』を、私は、

たぶん、そう

と納得しています。

その前提で話をすると、、、

もし、大学の先生たちが、
あえてキリスト教を俯瞰して、
他の宗教のことやなんかにも触れて、
『前提』の比較という切り口で
説明してくれたら、

私の理解は、もっと深まっただろう、

そして、
「ワンセンテンスで表せ」の課題にも
もっと深みや説得力のある回答を
私はしたかもしれない、
と、今日、気づきました。

内部にいると
『前提』はあたりまえなので、
それをわざわざ言いませんよね。

でも、外にいる人たち、

例えば学生時代の私や
ほとんどの友人たち

— クリスチャンではない
”一般的な” 日本の人々 —

に、
キリスト教を真に理解させようと
するならば、

あたりまえの『前提』を語る
という選択肢はあったよね、
と思います。

これって、
キリスト教に限ったことではなく、
コミュニケーション全般に
あてはまります。

どうも伝わらない、とか、
どうも腑に落ちない、
説得力が不足している、
と感じた時は、

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『前提』に目を向けて、
『前提』を語る、理解する、問う

~~~~~~~~~~~~

おススメです。

『前提』がすべての土台なので。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋&人事屋

LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®
人事コンサルタント