【飛躍のヒント】本当の自分はどこにいるのか?

坂本夏子です。

きのうの「逃げた」の続きです。

私が会社の仕事で
破格のミスをした結果
招いてしまった ”暗黒の二年間”から、

どのように立ち上がったかを
きのうはお話ししました。

いみじくも、

どつぼパターン -> 達成パターン

への転換の物語だったわけです。

読者で、
現役の組織人である方より
感想が届きました。

Hさん

===============

いつも楽しみに読んでます。
今日の内容、
私も考えさせられるところが沢山あり、
読んでてワクワクしました。

===============

どこの会社も、
人間集団であるがゆえに、
いろいろ起きますね~。

お役に立てば幸いです。

で、私の話に戻ります。

きのうお伝えした一件とは別に、
同じころ
(プロジェクト開始から1年半くらい)、
もう一つデキゴトがありました。

結局のところ、
どちらか一つではダメで、
両方あったからこそ、
私は自分を軌道に乗せられた、
という事件でした。

立役者は、
うちのチームのTさんです。

Tさんは、そのプロジェクトとは
関係のない仕事をしていました。

私との関係は健全でした。

ただ、同じ職場にいますので、
私が毎日、特定の数名のメンバーに
声を荒げて怒ってるのを、
聞いているし、見ています。

おとといもお伝えした通り、
パワハラか、という状態でした。

ある日、Tさんから、
二人だけでミーティングをしたい
とのリクエストがありました。

OKしました。

すると、
彼は極めて率直に、
私のふるまいと、
その結果生じている職場環境の
悪化について、懸念を述べました。

こんな感じの会話でした。

「私に直接関係がなくても、
坂本さんが大きな声で怒り出すと、
それだけでイヤ~な気持ちに
なるんです。

職場の雰囲気が悪くなってます。」

「あれをやめてもらえませんか。」

「坂本さんにとってもよくなくて、
評判を落としていると思います。」

私はグーのネも出ませんでした。

だってその通りだったから。

やってた本人は、
わかってたんですよね。

「これ、ヤバいよね」

でも、一旦、怒りのスイッチが
入ると止まらないのです。

「DVをやる人の気持ちがわかる」

と心の中でつぶやきながら、
やってしまっていました。

別にDVを正当化しているわけでは
ありません。

DVをやる人には、
心の中で自分を責めながら、
相手を責めるという
カラクリが働いているんだろうなと、
感じていたということを、
申し上げています。
(それは本当だと今は知っています)

本人が気づいているかいないかは、
人によって違いますが。

そんな心理状態だった時に、
Tさんが私に、
正直に話してくれたのです。

悪いとわかっていながら、
やめずられずにいたことを、
やめるキッカケを彼はくれました。

私は、その場で、
やめる決心をしました。

そして、
正直に私に話してくれたTさんに、
頭を下げてお礼を言いました。

ひとしきり、
心を落ち着かせたあと、
彼に伝えました。

「こういうことってさ、
なかなか面と向かって
上司には言いにくいよね。

よく言ってくれたね。」

Tさんが何と言ったと思いますか?

============

坂本さんなら、
言っても大丈夫だって思いました。

============

泣きました。

心の中で。

嬉し泣きです。

なぜか?

30ちょっとで、
初めて上司という立場に立って以来、
こんな職場にしたいよね、
というイメージが
私にはあったんですね。

それは、

言いにくいけど大事なことを、
白昼堂々と、会議室で扉を閉めて、
率直に話し合う職場です。

言いにくくても大事なことは、
大事である以上、
仕事中に仕事として
話す必要があります。

飲みの席でしかやれないとしたら、
それはおかしいのです。

言いにくくても大事なことは、
大事である以上、
率直に話す必要があります。

やんわり、とか、それとなく、
ではダメなのです。

よく、風通しのいい職場とか、
オープンなコミュニケーション、
ということばがありますが、

具体的にどういうことかというと、
私はそのように考えていました。

それをちゃんとやっている職場は、
もう一つのイメージでいうと、
”長屋” です。

一人一人、
自分の役割や空間を持ちながらも、
同じ目的に向かって手を携えていて、

自由にものが言えて、
いつも笑い声が響いていて、

何かあれば、そのコトのために、
みんながサッと集まって
団結する長屋です。

One for All も、
All for One も可能です。

私が職場をそのように捉えていて、
そうありたいと意図していたのは
事実です。

当時の私が、
それをどのくらい
職場で表現していたかは、
記憶がぼやけでいますが、

Tさんの、

「坂本さんなら
言っても大丈夫だと思った」

という一言で、
自分が描いていたことが正しかったと、
私はわかりました。

それがゆえの、うれし泣きでした。

暗黒の二年間が始まる前年、
私は4年の東京勤務を終えて、
元いた場所に戻りました。

すると、そこは、
4年前とは一変していました。

朝、出勤すると、誰も、
「お早ようございます」も言わず、
パソコンを立ち上げ、
パチパチと黙々と仕事を始めます。

人事という、社員相手の仕事だけに、

「同じ会社の人間から、
なんでここまで文句を言われ、
悪態をつかれる必要があるのか」

といった、
フラストレーションも多い職種なのに、

それをシェアしたり、
対策を協議したり、
健全に吐き出す雰囲気も
ありませんでした。

私はそれを変えたかったのです。

その私が、
自分のミスをきっかけとして、
真逆の方向に走ってしまっていた。

何とも皮肉なものです。

そしてTさんが、
私が本当にやりたかったことを、
思い出させてくれました。

そういうことがあって、
他にもあれこれあって、
トンネルの二年がやがて終わり、
その後、実りの二年を過ごしました。

ある時、私が、

「うちのチーム、だいぶ変わったよね」

と右腕だったメンバーに言ったら、

彼女が、

「一番変わったのは坂本さんです」

と言いました。

へ~、そうなんだ~、って思いました。

そうやって私は、ようやく
「愚者は経験に学ぶ」という
愚者に成長しました。

次回は、
何を最も学んだのかをお伝えします。

そのためには、
「なぜ私は、そもそも、
破格のミスを犯したのか?」
に立ち戻る必要があります。

だって
そこから始まったのですから。

ではまた!

坂本 夏子

ことば屋

LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®

#463

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする