坂本夏子です。
シリーズ・LAB プロファイル®。
今日は5回目です。
昨日は、パターンによって具体的に
どのようにことばを変えるとよいのかの
実例として、
<目的志向型>と<問題回避型>を
取り上げました。
今日は[判断基準]のカテゴリーの
<内的基準型><外的基準型>を
取り上げます。
まずは
<内的基準型>
このカテゴリーは、その人にとっての
基準のありかを見ます。
そのコンテクストにおける基準が
自分の中にあるのが
<内的基準型> です。
なので、自分でわかります。
自分で決めます。
自分で自分をモチベートします。
人から指示されるのは嫌がります。
人のアドバイスを求めても、
それは情報収集であって、従う、従わない、
他のやり方でいく、など、決めるのは
自分です。
影響言語
(<内的基準型>に効くことば)
本人に任せる、ゆだねる感覚を
表現すればOKです。
「おススメ」する時も、提示したり、
お誘いするにとどめます。
【例】
決めるのはあなた
ご判断はお任せします
ご提案なのですが、、
○○してみませんか?
どうされますか?
やってみて、自分に合うかどうか、
自分で判断してね。
自己ベストを更新する
ワタシ流・オレ流でやったら?
あなたらしく
次に、もう一つの
<外的基準型>
このパターンでいる人は、
基準が自分の中にありません。
なので、他者の指示、アドバイスや
外部情報を必要とします。
外に対して素直です。
ほめられたい、評価されたい、
競争に勝ちたい、負けたくない
といった傾向もあります。
あなたが情報として伝えたことも、
指示されたと受け取ります。
影響言語
「外」情報を提供したり、
外を意識させるのがポイントです。
本人があなたに対して<外的基準型>で
いるのがわかっていれば、指示したり、
ストレートにお願いして大丈夫です。
【例】
みんなやっています
社長がほめていましたよ
専門家によると
プロ流
ライバルを倒す
忖度
気が利くね
一番になる
こうやってください
これが効果的です
よくある間違いは、その人が
誰に対して<外的基準型>かを見誤り、
指示すると逆効果なのに、
指示してしまうことです。
子供が、親の言うことを聞かないのに、
友達や、いとこのお兄ちゃんの
言うことを聞く場合、
親に対しては<内的基準型>
友達や、いとこのお兄ちゃんに対しては
<外的基準型>です。
営業の場面などでは、お客様は
あなたに対して<内的基準型>で
いるとの前提で臨むのが安全です。
人は誰でも、押し付けられたくは
ないですよね。
以前、
とあるA社が大きな仕事を
受注するのに、舞台裏で関わった
ことがあります。
契約の寸前までいった段階で、
相手方が、あり得ない条件交渉を
してきました。
A社としてはベストな提案をし、
それ以上、一歩も譲れない
状況でした。
相手は合理的な根拠に基づいて
条件の上乗せを求めているというより、
強気で「ゲームをしかけている」
感じがありました。
で、交渉の場面では、
相手のパターンは<内的基準型>。
A社にとって、ぜひとも
取りたい案件で、交渉決裂は不可です。
そこで私は、A社に、このように
アドバイスしました。
再度、A社として最大限の提案で
あることを、お相手に誠実に
説明した上で、こう言ってください、と。
=============
これが弊社のベストです。
ご判断はお任せします。
ご自身でよくお考えの上、
ご決断ください。
=============
これでダメだったらどうしよう?
といった気持ちにもなるので、
ここまで言い切るのは
ドキドキものでもあります。
そしてそこは、
相手の目を見て、
背筋を伸ばし、
ハッキリとした声で、
堂々と、
<内的基準型>に向けての
影響言語を発するのが王道です。
つまり、ことばのみならず
ノンバーバルの力も借りる
ってことですね。
(だから、言葉と ”行動”の
プロファイル です)
A社さんはうまくいきました。
あなたが交渉に臨むことがあれば、
効果があるかどうか、
確かめてみるといいかもしれません。
ではまた!
坂本 夏子
ことば屋&人事屋
LABプロファイル®
マスターコンサルタント
トランスフォーメショナル
コーチ®
人事コンサルタント